社員インタビュー(技術系)「耐火物の性能評価に関わる研究職」

RECRUIT

採用情報

松本 成史

「自分のやりたい研究」と仕事が一致する。
製品開発の根幹に関わっていく喜び。

技術研究所 共通基盤研究センター

松本 成史2012年入社

「見えないものをどうやって知るのか」
大学・黒崎播磨、どちらの研究にも共通している考え方。

学生時代の専攻や研究内容などについてお聞かせください。

大学では理学部で地球物理学を専攻していました。地球内部構造を調べるための高圧実験などを行う分野です。その中でもマントルなどといった高温・高圧のものを地上で再現し、どういった性質があるかということを検証する研究に携わっていました。

現在は機能性耐火物の材料の開発、性能評価の研究に携わっています。黒崎播磨での耐火物の研究と大学の研究を比べると、「再現性」というところに共通項があると感じています。
研究のプロセスとしても同じで、マントルが地表からは確認できないように、耐火物も使われている間の様子は確認できません。見えないものをどうやって知り、理解していくか。大学での研究が仕事につながっていることを幸せに感じます。

すぐに製品に結びつくものではない研究。
その内容を真摯に受け止めてくれたのが黒崎播磨だった。

黒崎播磨を志望したきっかけと、面接の印象を教えてください。

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一次面接の日が、東日本大震災の翌日でした。当時大学が大阪にあり、かなり余裕をもって会場へ向かったのですが、それでも面接の時刻に遅れてしまいました。しかし黒崎播磨の面接官の方々は、「こんなにも交通網が乱れている中で足を運んでくれたのだ」と面接を通常通りに実施してくださいました。面接の緊張と移動の疲れがあった中、その心遣いに感銘を受けたのを今でも覚えています。

黒崎播磨を志望したきっかけは、鉄鋼業を始め素材産業に興味を持ったからですが、決め手は面接でした。私の所属していた理学部というのは自然科学について「真理を追求する」学部です。工学部などとは違いすぐに応用が利く・商品に直結するといったものではないことから、就職にもやや不利ではないかと考えていたため、面接で対話をする中で私たちの研究自体を深く受け止めてもらえたことが素直に嬉しく、また自然体で話すことができました。
他の面接では研究内容まで深く掘り下げた話をする機会に恵まれなかったため、この面接が他の製造業ではなく「黒崎播磨で働きたい」と強く思えた一番大きなきっかけでした。

耐火物の性質・耐久性・故障要因などを見極めることが、製品開発の根幹にある。

仕事内容についてお聞かせください。

現在、機能性耐火物の材料の開発、性能評価の研究に携わっています。耐火レンガが損傷するのは主に「割れる」と「溶ける」、このふたつの要因によります。それらは単独で起こるのではなく、複合的に発生する。どちらの要因によるものなのか、また、どちらを重要視するのかという点を見極めることに加え、私たちはこの調査・評価方法自体も研究しています。

開発プロセスにおいては、レンガを作る材料の性能評価方法が重要です。ここで自分が研究室で学んだことが活かされます。マントルと同様、溶けた鉄が炉の中で耐火物におよぼす影響も直接見ることはできない。それをどう研究室で再現し、解析するのかが課題です。
というのも、もし評価方法を間違えてしまうと、開発自体も間違った方向に進んでしまいます。評価技術が、開発方針自体を決める重要なポイントとなります。研究は、製品を作る上でのとても重要な、基本となる部分を担っているんです。

シミュレーション
耐火物の表面から鉄が入り込む現象(浸潤)のシミュレーション
試験の様子
耐火物表面の鉄に対する濡れ性試験の様子

条件によって評価方法も変わる。
大学研究にはない難しさと、「よい製品だ」と言われる楽しさ。

たくさんあると思いますが、特にどういったところが難しいと感じていますか?

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難しいのは、お客様ごとに耐火レンガの使用方法が違うことです。たとえ同じ素材を用いていても実際に使われる状況はそれこそ千差万別。状況に応じ、評価方法自体も変えないといけません。

例えば耐火物を使用する設備の状況ですが、常に稼働していると設備は温かいですよね。しかし稼働しなければ冷え、それが耐火物の「割れ」に繋がります。状況や条件がまったく違うこれらふたつの状況を同じように評価することはできません。これが大学の研究ではない、実地での研究の難しさだと感じます。

しかしこれがやはりおもしろいんです。自分が想像していたものと現実が一致する。わからないものがわかるようになる。そういった、ものごとに対する探究心という個人的なよろこびが、「よい製品だね」とよろこんでいただけるような結果を生み出す原動力となる。学んだことと仕事がつながるのは、奇跡のような循環が生まれる瞬間だと思います。

幅広い年代の専門家が揃っている。
意見交換による研究精度アップにも期待。

黒崎播磨での研究の様子について、さらに聞かせていただけますか?

研究者というとラボなどにこもってずっと研究をしているイメージがあるかもしれませんが、黒崎播磨の研究者は、営業担当や、ときにはお客様ともやり取りをするんです。多くは営業の方を通してやり取りをしますが、じかに工場へ赴き、実際にどのように製品が使われているのかを体感することもあります。お客様のから直接意見が聞け、仕事に反映できるいい研究環境だと感じています。

黒崎播磨は専門家が多く、知識も豊富です。その反面、広範囲な知識を持つジェネラリストが少ないことが課題だと感じていましたが、最近では製品の枠を越えた横断的な研究方法へと変わりました。ひとつだけの製品を担当するのではなく、違う製品に関わっている人たちと意見交換・交流をすることで、さらに研究の精度が高まっていくだろうという予感がしています。ベテランから私のような若手まで年齢層も幅広く、さまざまな視点から研究を見ていける点も黒崎播磨の魅力です。

社会人だからこそ得られる“研究の広がり”と、
それに伴う「伝える」ことの難しさ。

仕事をする上での楽しい点、難しい点などをお聞かせください。

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入社して感じたのは、学生時代とのいい意味でのギャップでした。研究室では予算も限られていましたし、専門外の情報が必要となると金銭的に諦めなければならなかった。しかし今は、仕事に必要であれば得ることができる。学生のときにはなかった“研究の広がり”を感じます。

反面、学生のときにはあまり必要ではなかった「伝える」能力が問われるのが仕事である、とも感じています。研究室にいる人はその分野についての知識があります。しかし今はさまざまな職種の方に研究内容を伝えなければなりません。「なぜこの研究が必要なのか」「なぜこれが難しいのか」「なぜこの素材でないといけないのか」といったことを理解していただけなければ仕事として成立しない。実際に働き始めて痛いほど感じた点ですね。

快適な寮生活でリラックス。休日は小旅行を楽しんでいる。

休日の過ごし方や、寮での生活について教えてください。

寮での生活はとても快適です。私は研究者なので交替制はありませんが、そのような人たちのために食堂は朝5時から夜の12時まで使えます。部屋は8畳ほどのワンルーム。築浅な上に防音にも優れているので気を使う必要もなく、自分の時間も確保できます。会社までは徒歩で15分ほど、宅配ボックスもあり、キッチンもついている。本当に言うことなしの物件ですね。
休日はよく先輩と小旅行に出かけています。五島列島や山口県、大分県、熊本県などに足を運び、美味しい食事を楽しんだりしてリフレッシュしています。

「自分のやりたいこと」は何なのか。
そう問い続ける姿勢が、すばらしい仕事との出会いにつながる。

では最後に、これから就職活動を行う方にメッセージをお願いします。

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これは自分が実際に感じたことなのですが、「自分のやりたいこと」というのを見つけるというのは、実は難しいことではないかと思うんです。とくに物理の分野は真理を突き詰める学問なので、その研究を「どう活かすか」というところにたどり着くまでには相当自問する必要があると考えます。

私の場合は説明会などに足を運び、そこで「素材自体に興味があるんだ」と自覚したからこそ黒崎播磨に出会えました。「どうして自分が入社を望んでいるのか、その必然性を伝える」ということは本当に難しかったですが、考えぬいたからこそ今ここにいるのだと思っています。

研究は非常に奥が深く、楽しい作業です。自分の専攻と仕事内容がマッチすることが最上ですが、そのためにも「自分のやりたいこと」と仕事をどう結びつけるか。それを問うことが、自分の働き方、ひいては生き方を見つける糸口になるんだと思います。
ぜひ自問自答しながら自分の勉強や、やりたいことと向き合ってみてください。そうすればきっと、「これだ」と思える仕事に出会えるはずです。