2023/03/01
COMPANY
会社概要
研究開発
上質な鉄を作り出す
“鉄鋼プロセス”を支える、
黒崎播磨の研究開発
製鉄現場を模擬した各種の耐火物評価設備、高精度なシミュレーション
耐火物の製造から顧客でのご使用までに、耐火物の「評価」という工程は欠かせません。
- 炉内部の耐火物でどういう反応が起こっているのか?
- どのくらいの熱がかかっているのか?
- ガスが通気するのか?
- 溶損の度合いはどのくらいか?
黒崎播磨の研究所内には、耐火物の基礎的特性を測定する他に、製鉄現場で起こる現象を実験室レベルで模擬するさまざまな高温評価設備を保有しています。
またコンピュータシミュレーション(熱応力解析、流体解析、計算状態図)も活用し、予測精度向上に努めています。

製品プロセスを最適化し、
顧客ニーズに応えていく
研究を行う前提にあるのは、「お客様の満足度向上」です。
必要とされる製品特性の研究のみならず、製品をいかにお客様の用途に沿った製品として価値あるものにしていくかという「顧客価値を高める研究」が重要なポイントとなります。
当社では製品を納品する前の製造プロセスの中で、事前に評価を実施。
その後、お客様から製品に対するフィードバックを受け、さらに研究所にて研究・改良を行うというサイクルを回します。
満足いただける高品質な製品づくりを可能にすることで、お客様の業務効率向上に貢献します。
過酷な環境に耐え、
高級鋼を作り出す
耐火物の研究
鉄(Fe)の融点は溶岩より高い1538℃。その環境で耐えうる安定性を追求する
耐火物にとくに求められるのは、高い耐食性と耐熱衝撃性です。
1500℃を超える過酷な環境の中でも割れにくく、溶けにくい特性を発揮するためには、高純度の原材料が欠かせません。
当社の研究所では高級鋼を製造するための素材を厳選し、さらに意図的にさまざまな粒度を組み合わせることで、顧客のニーズにあった優れた耐火物を実現。
高級鋼を製造するための高い安定性をそなえた耐火物製造の基礎を築いています。
なぜ諸外国からも、日本の「高級鋼」が求められるのか
自動販売機などで売られているスチール缶を想像してみてください。
すると日常的に使用されている鉄は、非常に薄く、複雑な形状をしたものが多いことがわかるかと思います。
この複雑形状を実現するためには、鉄に有害な不純物を極限まで取り除く技術が不可欠なのです。
良質な鉄は耐腐食性に優れ、サビに強く、非常に薄く加工がしやすい点が特長です。
各種性質に優れた鉄は日本特有の技術であり、世界各国からの需要も高く、日本の技術力を端的に表しているといって良いでしょう。
プロセス開発・要素開発の
双方からアプローチする、
横断的な研究体制
研究員の知識交流によって生まれる、革新的な技術
従来、黒崎播磨では「窯炉用耐火物」「機能性耐火物」「不定形耐火物」といった品種毎にスペシャリストを育成してきました。さらに現在ではそれぞれの研究の知識を共有化し、あらたな技術・製品開発に結びつけるべく研究所内の構成を再編成。
- プロセスや製品開発(製品製造)
- 要素開発(製品のための基礎研究)
大きくこのふたつに分類し、それぞれの品種に対し、共同で各テーマを研究するコラボ研究を実施。
研究者同士が横断的に知識や要素技術を交換することで、より顧客価値を高める製品開発へとつなげています。
産学連携の視点から、
あたらしい技術を生み出す
当社では、大学や関係企業ともタッグを組み、産学連携での研究にも力を入れています。
耐火物とスラグや溶鋼が接触することで起こるさまざまな現象についても、大学や関係企業の最新技術を使用した解析設備を用いるなどして、さまざまな見地からの詳細解析を行っています。
また当社内での博士号取得も積極的に推進しており、今後ますます耐火物・セラミックスの利用技術を高めていくことになります。

研究所からのメッセージ
MESSAGE
煙突がある場所には、かならず耐火物が存在します。
人類の偉大なツールである「火」。
これを操るうえでのキーマテリアルとなるのが耐火物であり、
さらにこれをルーツとするのがファインセラミックです。
私たちの技術は世界中で必要とされていますが、
それは現状ある優れた技術、未来に向けたあたらしい技術だけではありません。
かつて発展途上にあった日本の中で必要とされた技術は今、
インドやアジアといった場所で必要とされ、現地でのインフラや製造を支えています。
1500℃を越える過酷な条件下でも耐久が可能な、
奥が深く、大変おもしろい材料であり、
製造業、ひいては生活のあらゆるものの根本を支えているのが耐火物です。