
NEXCERA®
低熱膨張と軽量化の強みを活かし、半導体から宇宙空間へ。セラミックスの無限の可能性に挑戦。
導体の進化に伴い、より高い精度が求められることが予想されたため、当社は他社に先駆けて、2000年頃から室温付近でほぼゼロ膨張を実現できる素材の開発に取り組みました。こうして開発されたのがNEXCERA®です。
NEXCERA®
NEXCERA®は、当社が耐火物製造で培ったノウハウを活かし、ファインセラミックス事業の中で開発されたコーディエライトベースのセラミックスです。
NEXCERA®の室温付近でほぼゼロ膨張の特性を活かし、軽量高剛性化できることから、これまで半導体製造装置の性能向上に貢献してきました。また、母材同士を接合する拡散接合の技術や、空隙のない材料の特徴を応用し、お客様の高度な要求に応じた複雑なデザインの部材をミラーユニットで提供することが可能です。
この材料は低熱膨張ガラス(LTEG)よりも比剛性が高く、熱的安定性に優れるため、宇宙開発における光学望遠鏡に使用される高精度ミラーへの適用が期待される素材です。
比剛性と熱的安定性
NEXCERA®とLTEGの物性比較
物性 | 線膨張係数α [×10-6/K] |
比重 ρ [g/cm3] |
剛性 E [GPa] |
比剛性 [E/ρ] |
熱的安定性 k/α[W/µm] |
---|---|---|---|---|---|
NEXCERA® | 0.03 | 2.57 | 143 | 56 | 235 |
LTEG | 0.02 | 2.53 | 90 | 36 | 73 |
※低熱膨張ガラス(LTEG)より比剛性が高く、且つ熱的安定性(膨張しにくく熱が速く均一となる物性)に優れる。
NEXCERA®の
エレクトロニクスの発展を支える半導体産業では、ナノレベルの極めて高い位置決め精度を実現するために、半導体製造装置の部品に最先端の技術力が求められています。
NEXCERA®は極めて低い熱膨張係数を持ち、熱による形状変形を抑制できるため、半導体製造装置向けの部品として広く実用化されています。
従来の低熱膨張ガラス(LTEG)と比較して、1.5倍程度剛性が高いことから、リブ形状による軽量化が可能です。
また、軽量高剛性の特性を活かし、人工衛星の光学望遠鏡用ミラーとしての活用が期待されています。
JAXAとの契約により試作した大型ミラー(φ724球面ミラー(R1200))
半導体露光装置のステージは高速で移動するため、NEXCERA®を用いて軽量化することで省電力化が可能です。
また、宇宙産業用途では、NEXCERA®を使用して光学望遠鏡用ミラーを軽量化することでロケットの積載重量を軽減し、ロケット燃料の節約によるCO₂排出量の削減にも貢献できます。
NEXCERA®の
「9:産業と技術革新の基盤を作ろう」さまざまな分野へのセラミックス提供
今や私たちの生活に欠かせない半導体の製造装置などエレクトロニクス分野だけでなく、今後の発展が期待される宇宙分野にも貢献しています。今後もセラミックス製品の開発や技術力を磨き、幅広い産業分野での技術革新基盤をつくり出すことで、社会に貢献していきます。
NEXCERA®のインタビュー
(チームメンバーインタビュー)
NEXCERA®の
特徴
従来のマグネシアカーボン質れんがに比べて、内部の亀裂が拡大しにくく、破壊されにくい耐火物れんがです。
特徴
乾燥工程が不要なため、使用する前の加熱時間を大幅に短縮でき、炉の立ち上げが容易になる画期的な不定形耐火物です。
特徴
浸漬ノズルなどとして使用され、溶鋼内の不要な物質(介在物)がノズルに付きにくく、目詰まりしにくいという特徴があります。
特徴
暑熱環境下での重筋作業をロボットにより自動化し、作業の安全・安定・省力・改革を実現した製品です。
特徴
低熱膨張ガラスと同レベルの極めて低い熱膨張係数を持ち、より高い強度があるため、大型化しやすいという特徴があります。
特徴
非常に低い熱伝導率を持ち、優れた断熱性能を発揮する断熱材です。従来に比べて強度が高いという特徴があります。
特徴
MLCC(積層セラミックコンデンサ)焼成用で世界シェア約40%を誇る、熱伝導率が高く長寿命な、電子部品の焼成用容器です。
※「エネファーム」は東京ガス(株)、大阪ガス(株)、ENEOS(株)の登録商標です。